[書評]1秒で心をつかめ。一瞬で人を動かし、100%好かれる声・表情・話し方[魚住りえ]

書評

今回ご紹介する本は 元日本テレビアナウンサー、現在はフリーアナウンサーであり、ボイス・スピーチデザイナーでもある魚住りえさんによる「好印象を残す49の法則」を解説したコミュニケーション本です。

魚住りえさんと言えば私の中では「所さんの目がテン」の司会者のイメージが強く、もともと好印象を持っていたのですが、その好印象自体も、実は計算されたうえで作られているということがわかり「さすがプロ」だと感心しました。

普段何気なく使っている言葉や表情ですが、実は会話の内容以上に相手の印象を左右する非常に重要な要素でありながら、今まで真剣に勉強したことがない、という方がほとんどではないでしょうか。

プロのメンタル術、インタビューテクニックなどのノウハウも書かれており、どんな方でも参考にできる内容があるのではないかと思いました。

【目次】

Prologue すべては「1秒」で決まる
第1章 スピーチ・プレゼンの1秒 惹きつける・飽きさせない
 01 まず「1秒の間」で惹きつける
 02 「少し高めの声」で入って緊張感を高める
 03 文末で口を閉じれば「えー、あー」がなくなる
 04 第一声は遠くを見て発し、中盤で反応のいい人とアイコンタクト 
 05 「緊張している→集中している」に変換する
 06 「1秒グ~パンチ」で集中力をとり戻す
 07 冒頭の「つかみ」だけ原稿を用意する
第2章 ビジネス・交渉の1秒 信頼させる
 08 商談の始まりは「いまここ」の1秒に集中する
 09 一瞬で心をつかむ「お会いできてうれしいです」
 10 「(話を)聞いて、(質問を)訊く」1秒サンドイッチが効く
 11 ここぞのポイントで体を向けて1秒アイコンタクト 
 12 相手がしゃべりきって満足したところで切り出す
 13 先に結論を言って「わかりやすさ」を演出する
 14 「よかったこと」「得意なこと」「楽しいこと」で雑談の話題を振る
 15 「でも」「いや」「逆に」残念な最初の1秒に要注意
第3章 出会いの1秒 好感を抱かせる
 16 1秒で心をつかむ大原則「笑顔」
 17 見た瞬間の1秒で好印象を与える「姿勢」
 18 出会った瞬間の1秒で好印象を与える「色」
 19 口角を上げて声を発するだけで「いい声」になる 
 20 マスクをしていても一瞬で”感じのいい表情”をつくるコツ
第4章 雑談の1秒 感じのよさを与える
 21 雑談は「最初の1秒」で9割決まる
 22 微妙な距離感の相手と1秒で打ち解ける魔法の言葉
 23 雑談中の残念な「1秒ぐせ」をなくす方法
 24 「エレベータートーク=天気の話+ちょっと未来の話」で乗り切る
 25 相手に警戒心を与える「3つのNG目線」
 26 好感度の高い「目線の合わせ方」「目線の外し方」
 27 会話を潤滑にさせる「オウム返し」の1秒
 28 あいづちは下手に打つより「黙ってうなづく」
 29 「そうなんですね」「わかります」で共感する
 30 あいづちの声の高低とスピードで相手の感情を操る
第5章 関係を深める1秒 特別な人と思わせる
 31 「それ知ってる!」と言いたい気もちを1秒こらえる
 32 相手の名前を呼ぶ1秒を怠らない
 33 相手が嬉々として話し出す「教えてください」のひと言
 34 年上の人には「勉強になります」でかわいがられる 
 35 「Yes/No」で答えられる質問をしない
 36 核心部分のまわりから攻めて言葉を引き出す
 37 上の空の相手には「どう思います?」で集中してもらう
 38 気づまりな空気を一瞬で変える3つの1秒テクニック
第6章 恋愛の1秒 気になる存在にさせる
 39 「わかる!」「大変だよね」共感の言葉がモテの鉄則
 40 1秒で魅力が伝わるモテる声
 41 長く見つめて相手が気づいたら1秒以内にそっと目をそらす
 42 会話の途中で身を乗り出す
 43 相手を傷つけることなく断る1秒ワザ
 44 また会いたいと思わせる「さよなら」の後の余韻の1秒
第7章 オンラインの1秒 きちんと伝わる・場が盛り上がる
 45 映って1秒で好印象を与えるテクニック
 46 オンラインで映える声のつくり方
 47 身振り手振りをいつもより1・5倍オーバーにする
 48 会議を活発にさせる「冒頭のひと言」
 49 会議の雰囲気を1秒で変える「確認の問いかけ」
おわりに
巻末付録 魚住式「心をつかむ1秒」の準備編 ~声・表情・話し方のLESSON~

私がこの本の中で勉強になった部分

マツコ・デラックスさんは返事の前に「・・・わかる」「・・・私、それはね」などの「間」を置くことで話し手は「しっかり話を聞いてくれた」と安心し信頼感につながっている

言葉の言い終わり、文末で必ず口を閉じると「あー」や「えー」が防げ、相手に知的な印象を与えることができる

結局、成功しているのは、話す力よりも聞く力がある人

マスクをしているときほど、笑顔の意識を持つ

どんな人からも学ぶところがあり、「自分は無知なんだ」という謙虚な姿勢でいると、好奇心をもって相手の話を聞ける

全員が先生だと思って接する。心がけるのは「わからないから教えてください」の姿勢

声を出さずに相手の目を見て、口角を上げながら黙ってうなずく

ここがおすすめ プロによる実践的かつ具体的な会話術

話のプロによる実践本ではありますが、「プレゼン」や「ビジネス」などの項目もあり、ビジネスマンの方にとっても勉強になる内容が多くおススメです。

かなりボリュームのある目次となりますが、一度読んで内容を理解した後は目次を読み返すだけで、要点がひと目でわかり便利です。(実際の目次は49の法則それぞれに対する小見出しも書かれています)

また、各法則の最後には「まとめ」が箇条書きで書いてありますし、大事な部分は赤文字で強調してありますので「まとめ」部分だけを流し読みする、赤文字部分だけを抜き出して読む、など後から読み返すときに読みやすい構成になっています。

ここが残念 49の法則は・・・多すぎて実践が大変

若干、「あれもしないといけない」「これもしないといけない」とやらなきゃならないことが詰め込まれすぎており、消化不良になってしまいました。

ただ、これは私自身が普段できていないことが多いという証拠でもあり、まずはできることから少しずつ実践していく予定です。

各法則自体は非常に具体的かつ実践的な内容のため、だれでも読んだその日から実践できると思います。

まとめ 常に手元に置いておき繰り返し読みたい一冊

「全然できていないな」と反省したり、「こんな言い方をすれば伝わるのか」と新たな発見がありながらも一気に読める内容でした。


この本を読んだからといってすぐに相手の心をつかめるわけではありませんが、いつも手元に置いておき何度も繰り返し読むことで実践していきたいと思います。

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